5回目の「また始めよう」
去年の秋、本棚の整理をしていたらスケッチブックが4冊出てきた。
全部、最初の数ページしか使っていない。
1冊目は3年前。「絵が描けたらいいな」と思って買った。2冊目はその半年後。「今度こそ続けよう」と新しいのを買いなおした。3冊目と4冊目は、もう何がきっかけだったか覚えていない。
眺めながら、「自分はほんとうに絵が向いていないんだな」とため息をついた。
でも、そのあとに思った。「もう一回だけやってみるか」と。
毎回、同じところで止まっていた
5回目を始めてみて初めて、過去の4回がどこで終わったか意識して考えてみた。
1回目:描いてみたけど下手すぎて嫌になった。 2回目:道具を揃えるのに熱が入りすぎて、肝心の練習が続かなかった。 3回目:「毎日30分練習する」と決めたのに、一度休んだら再開できなくなった。 4回目:うまい人の絵をSNSで見て、自分との差にやる気をなくした。
パターンが見えた。
「続かない理由」は毎回違うようで、根っこは同じだった。「ちゃんとやろうとしすぎていた」。
5回目はルールを1つだけ変えた
「とにかく何かを描く。何でもいい。うまくなくていい。毎日じゃなくていい。」
それだけ。
「30分練習する」も「毎日続ける」も「うまくなる」も、全部目標から外した。
代わりに決めたのは、描いたら日付と「今日何を描いたか」「気分はどうだったか」だけを記録すること。
最初の週、描いたのは3回だった。でも3回とも、記録した。
記録が「続けている感」をつくった
不思議なことに、記録があると「続いている」という感覚が生まれた。
3日に1回しか描いていなくても、記録が積み重なっていくと「これは続いている状態だ」と思えた。
逆に、記録がなかった4回は「描いていない日 = やめた日」になっていた。1日休んだだけで「もう終わった」という気持ちになっていた。
記録があると、休んでいる日は「空白の日」じゃなくて「次に続く日」になる。
半年経って気づいたこと
5回目の試みは、今も続いている。週に2〜3回ペース。めちゃくちゃうまくなったわけじゃない。でも描くのが嫌じゃなくなった。
過去の4回が「失敗」だったとは、もう思わない。
あの4回があったから、今回「同じことを繰り返さない」と判断できた。失敗というより、実験だった。
挫折ループが5周したのは、能力の問題じゃなかった。やり方の問題だった。
もし趣味の挫折を繰り返しているなら、「また自分はだめだった」と思う前に少し立ち止まってみてほしい。どこで止まったか、毎回同じパターンじゃないか。
そこに気づけると、次の始め方が変わる。
コンセキを使い始めたのも、このあたりから。描いた回数と、その日の気分を選ぶだけ。たった10秒の記録が、「続いてる」という実感をつくってくれる。
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