久しぶりに筆を持った。
学生のころに少しかじっただけの書道を、また始めてみようと思ったのが去年の春。半紙を買って、墨をすって、いざ書いてみたら、思ったより手が動かなかった。
うまく書けない、というより、うまく書けているのかどうかすらわからない。
Before:書いては捨てる、の繰り返し
最初の数ヶ月は、ただ書いては丸めて捨てる毎日だった。
- 今日書いた字が、先週より良いのか悪いのか判断できない
- 同じ字を何度も書いてるのに、毎回ゼロからのやり直しに感じる
- 「とめ・はね・はらい」のどこを直せばいいのか自分でわからない
そもそも、何枚書いたかも覚えていない。気分が乗った日は20枚くらい書いて、乗らない日は半紙も出さずに終わる。その差すら記録していなかったから、自分がどれくらい練習しているのかも曖昧だった。
一番こたえたのは、上達している手応えがないこと。練習しているのに前に進んでいる感覚がないと、だんだん筆が遠くなる。半紙が押し入れにしまわれたまま、二週間。気づけば一ヶ月。
このままだと、また学生時代みたいにフェードアウトするな、と思った。
きっかけは「昔の半紙」
ある日、押し入れを整理していたら、始めたばかりのころに書いた半紙が一枚出てきた。
捨てそびれていたやつ。改めて見ると、ひどい。線がブレているし、字のバランスもめちゃくちゃ。
でも、そのおかげで気づいた。今書いている字は、少なくともこれよりはマシだ。
ようするに、比べる相手がいなかったから上達がわからなかっただけ。だったら、自分の練習をちゃんと残しておけばいいんじゃないか。そう思って、その日から記録をつけ始めた。
凝ったことはしていない。書いた日に、いくつかの項目をパパッと選んで残すだけ。
| 項目 | 残したもの |
|---|---|
| 日付 | 書いた日 |
| 課題の字 | 「永」「花」など、その日のお題 |
| 書いた枚数 | だいたいの枚数 |
| 手応え | 5段階の自己評価 |
| 一番マシな一枚の写真 | スマホでパシャっと |
After:上達が、目で見えるようになった
記録を始めて半年。一番変わったのは、上達が見えるようになったこと。
写真を並べてみると、三ヶ月前の「永」と今の「永」が、別人のように違う。とめの角度、はらいの伸び、全体の重心。自分でもびっくりするくらい変わっていた。
変化はそれだけじゃなかった。
- 手応えの自己評価を見返すと、調子がいい日と悪い日のパターンが見えてきた
- 「枚数を書いた日ほど評価が高い」わけではないとわかった(10枚で集中した日のほうが良かったりする)
- 同じ字を繰り返し書いた記録があるから、「先週のここを直そう」と狙いを持って練習できるようになった
- 苦手な字ほど記録が薄いことに気づいて、避けていた字とちゃんと向き合えるようになった
筆が遠のく回数も減った。だって、記録の写真フォルダを開けば、自分がちゃんと前に進んでいるのが一目でわかるから。進んでいるとわかれば、もう少し続けようかなと思える。
何より、書くこと自体が前より楽しい。
変化のポイント
なんでこんなに変わったのか、自分なりに振り返ってみる。
比べる相手が「過去の自分」になった
書道って、人と比べるとキリがない。お手本にはどうやっても届かないし、SNSを開けば上手い人ばかり。
でも記録があると、比べる相手が過去の自分になる。昨日より、先月より。その物差しなら、ちゃんと前に進んでいることに気づける。届かない理想ではなく、確かに変わった自分を見られるのは、思った以上に効いた。
「うまく書けない理由」を後から探せる
その場では気づけないことも、記録が溜まると見えてくる。
調子が良かった日の条件、字のどこが伸びたか、どんな練習が効いたか。書いている最中は無我夢中でも、あとから振り返ると傾向がわかる。次に活かせるネタが、記録の中に溜まっていく。
記録をつけ始めて、書道がやっと「続く趣味」になった。
毎日書く必要はない。書かない週があってもいい。ただ、書いた日にちょっとだけ残しておく。それだけで、自分の上達がちゃんと見えるようになる。
選択式や数値、写真でサッと残せる趣味記録アプリ「コンセキ」なら、筆を片付けるついでに10秒ほどで記録できる。練習の手応えと一枚の写真を残しておくだけで、半年後の自分がきっと驚く。
うまく書けているかわからない、と悩んでいたあのころの自分に、教えてあげたい。残しておけば、ちゃんと見えるよ、と。
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