洗面所の棚を開けたら、朝飲むはずだった分がそのまま残っていた。時計を見ると午後1時。
「あれ、今日まだ飲んでないな」と気づいた瞬間、先週も似たようなことがあった気がしてきた。でも思い出そうとしても、いつだったか出てこない。
毎日決まった時間に飲んでいるつもりだった。でも「つもり」でしかなかったのかもしれない。気になって、飲んだかどうかだけを記録してみることにした。
感覚と実態がずれている気がした
飲み忘れに気づくのは、たいてい棚を開けた瞬間や、次の分を出そうとして前の分が残っているのを見たときだ。その場では「しまった」と思うのに、数日経つとその記憶ごと薄れる。
「先月はちゃんと飲めていたはず」と聞かれたら、たぶん頷いていたと思う。でも実際に何日飲めていて何日飲めていなかったか、数字で答えられるかというと自信がなかった。
記憶に頼っている限り、都合の悪い日は勝手に忘れられていく。だったらその場で記録すればいい。
記録した内容
1ヶ月間、毎日。項目は次の3つに絞った。
| 項目 | 記録方法 |
|---|---|
| 服用時刻 | 時刻 |
| 飲んだかどうか | 済/忘れ |
| そのときの体調メモ代わりの状態 | 良い/ふつう/だるい |
用途や理由を書き込む欄は作らなかった。忘れた日に長文の言い訳を書き始めると、それだけで記録自体が嫌になる。飲んだ直後、あるいは「あ、忘れてた」と気づいた直後に、タップ2回で終わらせるルールにした。
出てきた数字
1ヶ月分を並べてみて、まず目に入ったのは飲み忘れの日数だった。30日中6日。感覚では「せいぜい1〜2回」くらいのつもりでいたので、思っていたより多かった。
さらに並べ替えてみると、6日のうち4日が同じ曜日帯に集中していた。**平日は忘れていないのに、週末だけ抜けていた。**平日は決まった時間に決まった行動をしているから自然に思い出せて、週末は起きる時間も過ごし方もバラバラだから、飲むタイミングそのものが存在しなくなっていたらしい。
忘れっぽいんじゃなくて、生活リズムが崩れる日に一緒に崩れていたのか。
もうひとつ気づいたのは、体調メモとの関係だ。飲み忘れた日の翌日は「だるい」を選んだ回数が多かった。因果関係とまでは言えないけれど、飲み忘れた日ほど自分の体の変化に注意が向くようになった実感はある。忘れたことを自覚しているから、いつもより体を気にして見ている、というだけかもしれない。
続けるコツは、記録を軽くすること
最初は「飲んだ時刻」だけでなく「食後何分か」「水の量」まで記録しようとしていた。3日で挫折した。項目が増えるほど、記録すること自体が面倒になって、結局それが新しい飲み忘れの原因になった。
済/忘れのタップだけにしたら、10秒もかからなくなった。忘れた日でも「忘れた」を押すだけで完了する。押しにくい記録は、都合の悪い日から先に抜け落ちていく。
もうひとつ効いたのが、薬の置き場所を記録の習慣とセットにしたことだ。スマホを触る場所の近くに薬を置き直しただけで、忘れて記録すらできない日がぐっと減った。通知で思い出すより、目に入る場所に置くほうが自分には合っていた。
きちんと飲めているつもりでも、記録してみないと本当のところはわからない。感覚は都合よく編集されるし、忘れた日ほど記憶から消えやすい。
コンセキで済/忘れをタップするだけの習慣にしてから、週末になるとうっかり抜けやすいという自分の癖が、はっきり見えるようになった。
先月、自分が何日飲めていたか、数字で言えますか。
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